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桃太郎は、それはもう 

よく食べ

よく遊び

よく学び

心身ともに健やかに育ちました

ただ

桃太郎は他の子と明らかに違った所がありました

瞳が青いのです

それだけが違っていました

・・・・・

月日が流れ

桃太郎は十四歳になっていました

身の丈は六尺を優に超え

相撲を取らせたら村で一番

大人がまじっても誰にも負けません

備前では

侍の子は十五歳で元服ですが

桃太郎は、いつ元服してもおかしくないほどでした

その頃

村の辺りに鬼が出て

食べ物や宝を奪いさり

村人達は、たいそう困っていました

そのため

お城から討伐の兵がやってきましたが

鬼共は

忽ちのうちに

お侍さん達をけちらし

好き放題して帰っていくのでした

その様子を見兼ねた桃太郎は

お爺さんに

鬼の討伐に行くことを 願い出ました

お爺さんも

お婆さんも

桃太郎がまだ子供であることから

心配して

許しませんでした

しかし

毎日のように許しを請う桃太郎に根負けして

とうとう鬼退治に行くことを許しました

つづく

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むかしむかし、備前の国に

たいそう心根の良い、お爺さんとお婆さんがおりました

ある日、いつものように

お爺さんは、山へしばかりに

お婆さんは、川へ洗濯に行きました

お婆さんが、洗濯を終え帰り支度をしていると

川上のほうから

何やら薄桃色をした物が流れて来ました

近づいてみると

それは、女性の死体で

お尻がプカプカ浮いていたのでした

その頃は戦乱の世で

こういったことは

さほど珍しいことでは、ありませんでした

お婆さんは、死体を川岸にあげ、手を合わせていると

女性の大きくなっていたお腹の辺りが

かすかに動くように見えました

お腹に手をあてがってみると

確かに動いていました

 

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ILLUSTRATION BY nyao